看護師のパワハラは多いの?
看護師の職場ではパワハラがかなり横行していることが知られています。
統計的な調査が色々な団体によって行われてきていますが、上司や先輩、医師などからパワハラに遭ったと考えられるような被害者の割合はおよそ7割~8割という結果が一般的です。
パワハラは職場における立場の高さを使ったハラスメントとして知られていて、先輩・後輩の関係の意識が根強いと言われています。
それは医師の診療補助をする看護師という位置付けになっていることから、パワハラが起こりやすい環境があるのは確かでしょう。
6種類のパワハラとは
パワハラは一般的に6種類あります。
- 身体的被害(突き飛ばす、殴る、蹴る)
- 精神的被害(悪評を流す、罵倒、叱責、嘲笑う)
- 人間関係からの切り離し(無視、隔離、仲間外れ)
- 過大要求(業務量を極端に増やす、無理に残業をさせる)
- 過小要求(能力、経験以下の単調な作業を与え続ける)
- 個人の侵害(携帯を見る、プライベートに過剰に入る)
身体的被害と精神的被害だけでなく、人間関係からの切り離しや個人の侵害、さらには過大要求、過小要求といったものがあります。
看護師が受けているパワハラ被害としては人間関係からの切り離し、過大要求、精神的被害が主なものです。
言動や態度が気に入らなかったために周囲に悪評を流してコミュニケーションを取りにくくする、業務量を極端に増やして無理に残業をさせる、周りの看護師がいる前で罵倒や叱責をするといったものが典型例として知られています。
このような状況があることは看護師としては念頭に置いて対策を練る必要があるでしょう。
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先輩看護師・医師からのパワハラ
もう少し具体的に先輩看護師や医師からのパワハラについて見てみましょう。
先輩看護師からのパワハラ例
プリセプター制度で指導を担当してくれている先輩看護師からいじめに遭うケースがあります。
そんなやり方をしているからダメなんだよという風に、ナースステーションの中で大声で罵倒されてしまうというのが典型例です。
また、周囲の看護師にあの人本当に使えないといった話をされてしまって、周りから敬遠されてしまうようになることもあります。
看護師長からのパワハラ例
看護師長から実力があると認められているのが妬みになって、過度な仕事を割り当てているケースも少なくありません。
また、看護師長が教育配慮のつもりで色々な業務に就かせているものの、量が過大になっていてパワハラになっていることもあります。
医師からのパワハラ例
医師からのパワハラとしても叱責によるものが典型的です。
指示通りに業務をこなしたつもりなのに、患者の容態が悪化してしまったというときによく起こるのが特徴です。
看護師としてこういう情報を患者から得てこなかったからこんな問題が起こったのだと責任をなすり付けられてしまうことがあります。
周囲にも聞こえるような声で叱られてしまってひどくつらい思いをしてしまうことが多いパワハラの例です。
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パワハラ発言の対処法とは
次にパワハラを受けた時の対処法について紹介していきます。
パワハラ発言の対処法
パワハラ発言をされてしまったときには安易に受け入れ続けることはせず、かといって直接先輩看護師や医者などに立ち向かわないのが大切です。
パワハラはそのままにしておくとだんだんとエスカレートしてしまうのが一般的で、本気で追い込むつもりでいじめているケースもあります。
状況が悪化して耐えられなくなってしまわないうちに対策を講じることが必要です。
直接対峙しても話にならないことが多いので、第三者の力を借りるようにしましょう。
相談先としてまず候補になるのが看護師長で、先輩看護師や医者が原因なら上司の立場から適切な対応をしてもらえるでしょう。
看護師長が原因の場合にはこの方法は選べませんが、副看護師長や医師などに相談してみるのも良い方法です。
病院内での相談が難しい場合は外部の相談窓口へ
病院内での解決が難しい場合には外部組織に相談しましょう。
【相談窓口】
- 日本看護協会
- 地方自治体
- 労働基準監督署
- 弁護士
気軽に相談できる窓口としては日本看護協会があります。
また、地方自治体が看護師に限らず一般的なハラスメントに対する相談窓口を設けていることも多くなっています。
もっと強硬な手段に出たい場合には労働基準監督署に相談する、弁護士に相談して訴えるという手段も選べるでしょう。
このような場合には証拠が必要になるので現場を録音しておくのが効果的です。
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過去に起こったパワハラ判例
看護師がパワハラの被害に遭って裁判を起こしたケースは実はいくつもあります。
その中でも有名な事例を確認しておきましょう。
事例:相談内容
病院勤務をしていた非常勤看護師がパワハラによる被害を受けていたことで慰謝料を得たという事例
このケースでは急患センターで週29時間以内という契約で働いていた看護師が「週20時間未満」での契約を提案されてしまい、同センターを運営している法人のスタッフに面談を申し出ました。
この非常勤看護師は一年ごとの契約になっていたため、契約更新の時点で勤務時間の短縮措置を提案されたことに不満を生じて相談したのです。
その際の対応として、運営法人のスタッフは解雇することを暗に示したり、机を叩くなどの威嚇行為をしたりして、看護師側の落ち度として反省を促す対応しかしませんでした。
慰謝料50万円の判決結果
これに対して起こされた訴訟では裁判によって運営法人側がパワハラの事実を認めて慰謝料の支払いによって和解が成立しています。
パワハラ慰謝料の相場 … 50万円~100万円
パワハラの慰謝料の相場としては一般的には50万円~100万円ですが、深刻なケースでは300万円に上ることもないわけではありません。
この判例ではパワハラ被害を受けた看護師に対して50万円の支払いが行われて解決に至っています。
慰謝料増額のケース
- 仕事上影響が大きい立場を利用したパワハラ
- 長期間、頻繁に繰り返されたパワハラ
- 複数人の人たちから受けたパワハラ
パワハラの慰謝料増額には上記のようなケースもありますが、何よりパワハラだと認定されることが大切です。
労働基準監督署に相談するとどうなるの?
パワハラの被害に遭ったときには労働基準監督署に相談することもできます。
労働基準監督署の対応範囲とは
労働基準監督署では「総合労働相談コーナー」と呼ばれる相談窓口を用意していて、パワハラについての相談も受け付けています。
ただ、労働基準監督署への相談で対応できる範囲は限られているので注意しましょう。
労働基準監督署では労働基準法に則って正しいかどうかを判断し、職場に対して解決策を提案するのが限界です。
しかし、パワハラの形としては労働基準法に違反するケースも多々あるのは確かで、労働基準監督署への申告効果がとても大きい場合もあります。
労働基準法違反の相談事例
典型的な事例としては過度な要求によって連日の残業が必要になっているものの、残業申請をしても受理されずにサービス残業をずっと続けているというケースがあります。
このタイプのパワハラは明らかに労働基準法に違反しているため、相談すると対応策を考えてくれます。
その後の対応としては業務内容を減らし、労働基準法に違反しない範囲での残業を課して時間外手当を正しく支給するといった形になるでしょう。
このように叱責程度ではなく、労働基準法に関わるようなトラブルが起こっている場合には労働基準監督署に相談すると解決につながります。